初めて聞いた時から、「はてなし」という言葉の響きに、なにか心惹かれるものがありました。「あの山の向こうになにかあるのでは」とは、さすがに違うけど。
本宮と高野山を結ぶ熊野古道・小辺路。1,000m級の3つの峠を越えていく、このルートの難所のひとつ「果無峠」を本宮側から歩いてみました。この道は、里を歩くことが主な、お手軽な熊野古道とは違う、本格的な山歩きでしたが、いにしえの道を彷彿させる静かな古道でした。
三軒茶屋跡にある、右かうや、左きみい寺の石碑
旧仮名遣いがなんともいえません。
古道沿いには33体の観音石仏が並んでいます。道標になるし、それぞれ違っていてユニークです。
ときどき、木々の間から住んでいる街が見えます。登ってきた高さを実感できます。
よい天気だったのですが、果無峠は霧の中でした。高野山から4日かけて歩いてきたグループと出会いました。「本宮まで、後は下りだけ!」という声に4日間の苦労と達成感が感じられました。今夜の夜行で横浜に帰るとのこと。
元気だなあ。でも、山で若い人に出会わなくなったなあ。
山道の真ん中にじっとしてました。踏みそうになって、ちょっとびっくり。
果無峠越えの最後の難関です。「一度に5人以上は危険です」という表示に緊張します。
こういうところは濡れていると滑ります。晴れててよかった。
果無峠越えのルートは、山の中は道もしっかりしているし、平谷小学校の子供たちの作った看板もあって、迷うことはありません。むしろ麓で道に迷いそう。なにしろ、古道が民家の庭先を通っていて、「本当にここを歩いていいの」というところがあります。