にんにく大作戦 vol.15 〜三重の谷農園に行ってきました。 |
2月16日、三重県の谷農園さんへ行ってきました!
谷農園さんは、いわゆる無農薬・無化学肥料栽培をされていて、
にんにく‘小倉スペシャル’の故郷です。
圃場面積は20ha。
年間60品目。
それを5人で管理されています。
谷農園の栽培のよくわかるブログは→こちら。
特徴は、まず土作り。
初めに堆肥を何作分もどかっと入れて、
その養分の濃さや土の様子で作付けする作物を選びます。
1年目の里芋から始まり、
次にきゅうり・トマトなどの生り物。
その次に土が安定して肥えてきた時期にほうれん草などの葉物。
最後、7〜8年以上経過してきたら大根・にんじんなどの根菜。
そして10年ぐらいでまた堆肥をどかっと入れる。
一般的には作物にあわせて施肥設計をし、それを管理して栽培するのですが、
谷農園さんは土まかせなので、栽培中に追肥などはしません。
ただ、播種や定植から作物が草に負けない力を持つまでは、
必死に草取りします。手除草です。
谷農園さんでは、圃場を何ヶ所かに分けて持ち(今は23枚)、
獣鳥害や病気、災害などからリスクを分散。
さらに同じ畑に何種類かの作物を栽培するのですが、
播種・除草・収穫などの作業時期が合うように栽培することで
多品種を効率よく管理できるように工夫されています。
たまねぎのマルチ栽培。5条植え。
この圃場では約6t収穫できるそうです。
ほうれん草。ヒヨドリによる食害。
畑の奥の森に近いところから、様子を伺いつつ食べに出てきます。
なので奥はすっかり食べられて黄色くなってて、
道路に近い手前はまだほとんど残っています。
鳥に食べられても時期をずらして何枚もの圃場で栽培しているので、
少々のことは気にしません。(ホントは気にしてると思うけど。)
「人間が動物らのおるこんなとこにまで出てきて住んでるんやからな、
それぐらい食べさせてやらななぁ。」って。
養豚場近くの圃場。奥の施設が養豚場です。
そこは、豚舎から出た豚糞を畑に返すところまでしているのですが、
圃場の管理を谷農園さんが請け負っています。
この時期は何も植わってないのかな〜、と思ったら・・・
よく見ればにんじんが。
ほら。
ほらほら。
じゃじゃーん。 (圃場広っ!)
大根も。
これ、小松菜っ?!50cmはありますよ?!
その場でちぎって食べさせてもらいました。
甘〜いっ♪
小松菜などの葉物は‘軟弱野菜’と呼ばれます。
谷農園の小倉さん曰く、それは未熟な状態なのだとか。
なので、
ここまでがっつりしっかり生長させたほうが味は絶対いい!
とのこと。
本当です。
甘くて味が濃くて、でも硬くないのです。
かわいい芽キャベツ。
1個1個ちぎっての収穫が大変なのと消費者も喜ぶので、
大胆にも株ごと出荷します。
そして次の圃場に見慣れた光景が!
にんにく〜。
黄色くて生育が悪いのではと心配していた熊野鼓動のにんにく。
以前に相談したら、
「うちのもそんなんやで。」
とは聞いていたものの信じられず・・・。
→熊野鼓動のにんにくはこんな感じ。
でもでも、
規模こそ違っても同じ様な感じが広がってます〜。
安心しました。
でもやっぱり根も茎もしっかりしているようです。
それは土の違いなのでしょうね。
雨よけハウス。
基本的に路地栽培ですが、リスク分散のためここでも少し作っています。
軽トラや什器も入れるようオープンな造りにしています。
贅沢に通路もとります。
水の管理だけしてやります。
できるだけ外気や風を取り入れるようにしています。
それでも食べ比べたら路地のものと味が全っ然違いました。
きっと市販のほうれん草よりずっとずっとおいしいはずなのに。
土を作ってやる。
そこに合うものを植える。
人間はその手伝いだけしてやる。
狭い圃場をしっかり管理するのではなく、
広いいくつもの圃場を自然に任せて放任主義で育てる。
なかなかまねはできそうにありませんが、自然と共存していくやり方を学んで
少しずつまねていきたいと思います。